胡蝶蘭の病気 葉のサインを見逃さない!原因と対策を徹底解説

美しい姿で私たちを魅了する胡蝶蘭ですが、時として葉に異変が現れることがあります。

大切な胡蝶蘭の葉が黄色くなったり、見慣れない斑点ができたりすると、どう対処すれば良いのか不安になりますよね。

特に、贈り物として受け取った胡蝶蘭であれば、その心配はなおさらかもしれません。

胡蝶蘭の病気 葉の症状は、単なる見た目の問題だけでなく、株全体の健康状態を示す重要なサインです。

葉がしわしわになったり、枯れる症状が見られたりする場合、その原因は一つではありません。

水やりや肥料の与え方、日当たりや風通しといった日々の環境、さらには植え替えのタイミングなど、様々な要因が複雑に絡み合っています。

この記事では、胡蝶蘭の葉に現れる様々な症状の原因を詳しく探り、具体的な対処法を解説します。

例えば、葉の色が変わる葉焼けの症状から、軟腐病や炭疽病といった深刻な病気の予防と治療法まで、網羅的にご紹介します。

また、病気の原因となるカビや細菌への対策、そして何よりも重要な日々の管理方法、つまり水やり、日光、風通しの最適化についてもお伝えします。

これらの知識があれば、万が一の時にも落ち着いて対処でき、大切な胡蝶蘭を復活へと導くことができるでしょう。

正しい知識を身につけ、あなたの胡蝶蘭を末永く健康で美しい状態に保つための一助となれば幸いです。

◆胡蝶蘭については、【関連記事】「胡蝶蘭は冠婚葬祭すべてで贈っていい?シーン別のマナーと注意点を解説」と「胡蝶蘭の花言葉とスピリチュアル・風水的な意味|色と置き場所で運気UP」も併せてお読みください。

この記事で分かる事、ポイント
  • 胡蝶蘭の葉が黄色くなる様々な原因と見分け方
  • 葉に現れる茶色や黒い斑点が示す病気の種類
  • 葉がしわしわになる根本的な理由と水分管理のコツ
  • 葉が枯れる症状と深刻な病気との違い
  • 葉焼けの具体的な症状と日照管理の重要性
  • 代表的な病気である軟腐病や炭疽病の詳細な対処法
  • 病気を未然に防ぎ、胡蝶蘭を健康に育てるための環境づくり

Contents

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胡蝶蘭の病気 葉の症状から原因を特定する

この章のポイント
  • 葉が黄色くなるのは水やりか寿命のサイン
  • 葉にできる茶色や黒の斑点の正体とは
  • 葉がしわしわで元気がない時の対処法
  • 葉が枯れるのは病気?見極めのポイント
  • 日光が原因?見分けが難しい葉焼けの症状

葉が黄色くなるのは水やりか寿命のサイン

胡蝶蘭を育てていると、葉が黄色く変色してくることがあり、多くの方が最初に直面する悩みのひとつかもしれません。

この症状は、様々な原因によって引き起こされるため、一概に「これだ」と断定することは難しいものです。

しかし、葉の状態を注意深く観察することで、その原因をある程度推測し、適切な対処を行うことができます。

まず考えられる最も一般的な原因は、水の与えすぎ、いわゆる「根腐れ」です。

胡蝶蘭は本来、樹木に着生して生育する植物であり、常に根が湿っている状態を好みません。

鉢の中の植え込み材が常にジメジメしていると、根が呼吸できなくなり、やがて腐ってしまいます。

根が傷むと、水分や養分を葉に十分に送れなくなり、結果として葉が黄色く変色し、やがては落葉してしまうのです。

この場合、葉は株の下の方から順番に、全体的に黄色く、ぶよぶよとした手触りになることが多いでしょう。

鉢を持ち上げてみて、いつもより重く感じたり、植え込み材の表面が乾きにくかったりする場合は、水の与えすぎを疑うべきです。

反対に、水不足によっても葉は黄色くなります。

長期間水やりを怠ると、胡蝶蘭は自身の水分を保つために、古い葉から水分を吸収しようとします。

この場合、葉は黄色くなると同時に、ハリを失い、薄くカサカサしたような状態になります。

根腐れとの違いは、植え込み材が完全に乾ききっている点です。

また、病気や生理現象とは異なる、自然な新陳代謝、つまり寿命によっても葉は黄色くなります。

胡蝶蘭は新しい葉を成長させながら、古い葉を落としていきます。

この場合、一番下の葉だけが黄色くなり、他の葉や株全体は元気な状態を保っています。

自然な老化現象であれば、特に心配する必要はなく、黄色くなった葉が自然に枯れて落ちるのを待つか、完全に枯れてから付け根で優しく取り除けば問題ありません。

さらに、肥料の与えすぎや不足も葉を黄色くさせる原因となり得ます。

特に、成長期に肥料が不足すると、株全体の色が薄くなり、黄色味を帯びてくることがあります。

逆に、規定以上の濃い肥料を頻繁に与えると、根が肥料焼けを起こし、根腐れと同じような症状を引き起こす可能性があります。

肥料は、胡蝶蘭専用のものを使い、指定された希釈倍率と頻度を守ることが肝心です。

これらの原因を見極めるためには、まず鉢の中の状態を確認することが重要です。

指を植え込み材に少し入れてみて、湿り具合を確認しましょう。

もし根腐れが疑われる場合は、一度株を鉢から抜き、黒く変色して腐った根を取り除き、新しい植え込み材で植え替える必要があります。

対処法としては、まず水やりの頻度を見直すことが基本です。

「植え込み材の表面が完全に乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与え、受け皿に溜まった水は必ず捨てる」というサイクルを徹底しましょう。

季節や室温によって乾く速さは変わるため、「何日に一回」と決めつけるのではなく、常に鉢の状態を確認する習慣をつけることが大切です。

大切な胡蝶蘭からのサインを見逃さず、適切なケアを施してあげましょう。

葉にできる茶色や黒の斑点の正体とは

胡蝶蘭の葉に茶色や黒の斑点が現れた場合、それは病気のサインである可能性が高く、早急な対応が求められます。

これらの斑点は、見た目も悪くするだけでなく、放置すると株全体に広がり、最悪の場合、胡蝶蘭を枯らしてしまう原因にもなりかねません。

斑点の原因として最も一般的な病気の一つが「炭疽病(たんそびょう)」です。

これはカビの一種が原因で発生し、初期症状としては、葉に淡褐色の小さな斑点が現れます。

この斑点は次第に拡大し、円形または不整形の黒褐色の病斑となります。

病斑の中心部はややへこみ、よく見ると同心円状の輪紋が見えるのが特徴です。

湿度が高い環境で発生しやすく、特に梅雨の時期や風通しの悪い場所で注意が必要です。

炭疽病が疑われる場合は、まず感染した葉を他の健康な葉から隔離することが重要です。

症状が軽い場合は、病斑部を少し大きめに、清潔なハサミやカッターで切り取ります。

切り口には、殺菌剤(トップジンMペーストなど)を塗布して、二次感染を防ぎましょう。

症状が葉全体に広がっている場合は、残念ですがその葉を付け根から切り取る必要があります。

使用したハサミは、必ず火で炙るか、アルコールで消毒し、他の株への感染を防いでください。

次に考えられるのが「軟腐病(なんぷびょう)」です。

こちらは細菌が原因で発生する、非常に進行が早く厄介な病気です。

初期症状は、葉に淡い黄色の水が染みたような斑点ができ、それが急速に拡大して茶色くドロドロに腐敗します。

最大の特徴は、腐敗した部分から独特の強い異臭がすることです。

軟腐病は高温多湿を好み、葉の傷口などから細菌が侵入して発症します。

この病気を発見したら、一刻も早い対処が必要です。

治療は外科的な切除しかなく、病変部をためらわずに、健康な部分を大きく含めて切り取ります。

炭疽病と同様に、切り口の殺菌と道具の消毒は徹底してください。

軟腐病は伝染力が非常に強いため、感染した株はすぐに他の株から隔離し、しばらくは特に注意深く観察する必要があります。

また、葉の裏に黒いすすのようなものが付着している場合は、「すす病」の可能性があります。

これは、カイガラムシやアブラムシといった害虫の排泄物を栄養源として黒いカビが発生する病気です。

すす病自体が直接胡蝶蘭を枯らすことは少ないですが、葉の表面を覆って光合成を妨げ、生育を阻害します。

対策としては、まず原因となっている害虫を駆除することが先決です。

湿らせた布やティッシュで丁寧に拭き取るか、数が多い場合は殺虫剤を使用します。

害虫がいなくなれば、すす病も自然と発生しなくなります。

これらの病気を予防するためには、日頃の管理が何よりも重要です。

具体的には、風通しの良い場所に置くこと、葉に水がかかったら長時間濡れたままにしないこと、適切な水やりを心がけ株を健康に保つことが挙げられます。

特に、風通しはカビや細菌の繁殖を抑える上で非常に効果的です。

サーキュレーターなどで空気を穏やかに循環させるのも良い方法でしょう。

斑点というサインに気づいたら、病名を特定し、迅速かつ的確な対応をすることが、大切な胡蝶蘭を守る鍵となります。

葉がしわしわで元気がない時の対処法

艶やかで肉厚な葉が魅力の胡蝶蘭ですが、その葉がしわしわになり、元気がなくなってしまうことがあります。

この症状は、株が何らかのSOSサインを発している証拠であり、主な原因は根からの水分吸収がうまくいっていないことにあります。

葉がしわしわになる最も考えられる原因は「水不足」です。

長期間水やりを忘れていたり、毎回与える水の量が少なかったりすると、根が乾燥し、葉まで十分に水分を届けることができなくなります。

その結果、葉は内部の水分を失い、ハリがなくなり、しわが寄ってしまいます。

この場合、葉は黄色っぽく変色することもあります。

対処法はシンプルで、適切な水やりを行うことです。

まずは鉢の中の植え込み材が完全に乾いていることを確認し、鉢底から水が勢いよく流れ出るまで、たっぷりと水を与えます。

一度で改善しない場合は、数日間、植え込み材の乾き具合を見ながら、水やりのサイクルを調整してください。

ただし、一度深く入ったしわは、水分が満たされても完全には元に戻らないこともあります。

しかし、株が元気を取り戻せば、新しい葉が健康に育ってきます。

意外に思われるかもしれませんが、「水の与えすぎによる根腐れ」も、葉をしわしわにする大きな原因です。

これは水不足とは逆のようですが、結果的に起こっている現象は同じ「水分の吸収不良」です。

常に植え込み材が湿っていると根が呼吸できずに腐ってしまい、機能しなくなります。

正常な根がなくなれば、たとえ周りに水分が豊富にあっても、それを吸い上げることができません。

結果として、株は脱水症状に陥り、葉がしわしわになるのです。

根腐れの場合、しわと同時に葉が黄色や黒っぽく変色し、株元がぐらつくこともあります。

この状態を放置すると、株全体が枯れてしまうため、早急な植え替えが必要です。

鉢から株をそっと取り出し、黒く変色した腐った根をすべて清潔なハサミで切り落とします。

健康な根(白や緑色でハリがある)だけを残し、新しい水苔やバークで植え替えてください。

植え替え直後は、根が傷ついているため、すぐに水やりはせず、一週間ほどしてから与え始めるのがポイントです。

また、急激な環境変化、特に「寒さ」や「暑さ」も葉がしわしわになる原因となり得ます。

胡蝶蘭は熱帯原産の植物で、極端な温度変化に弱い性質があります。

冬場に窓際など、夜間に急激に温度が下がる場所に置いていると、寒さで根が傷み、水分を吸い上げられなくなることがあります。

逆に、夏場の直射日光や高温すぎる環境も、根にダメージを与え、葉からの蒸散に水分供給が追いつかなくなり、しわの原因となります。

胡蝶蘭にとっての適温は18℃~28℃程度です。

この範囲を大きく外れるような場所に置いている場合は、より穏やかな温度変化の場所に移動させてあげましょう。

葉のしわに気づいたら、まずは以下の手順で原因を探ってみてください。

  1. 鉢を持ち上げ、重さと植え込み材の湿り気を確認する(軽い・乾いている→水不足、重い・湿っている→根腐れの可能性)。
  2. 株元を優しく揺らしてみて、ぐらつきがないか確認する(ぐらつく→根腐れの可能性)。
  3. 現在の置き場所の温度環境が適切か確認する。

原因を特定し、それぞれに合った対処を施すことが、胡蝶蘭を元気な姿に戻すための第一歩です。

葉のしわは、目に見えるわかりやすいサインなので、日々の観察を怠らないようにしましょう。

葉が枯れるのは病気?見極めのポイント

胡蝶蘭の葉が枯れてくると、「何か深刻な病気にかかってしまったのではないか」と心配になることでしょう。

葉が枯れる原因には、自然な生理現象から、放置すると危険な病気まで様々なものが考えられます。

正しい見極めと対処が、胡蝶蘭の健康を維持するために不可欠です。

まず、最も心配のいらないケースが「自然な老化」による枯れです。

胡蝶蘭は、株の中心から新しい葉を出しながら成長していきます。

それに伴い、一番下にある最も古い葉は、役目を終えて自然に枯れていきます。

この場合の特徴は、

  • 一番下の葉だけが枯れている
  • 他の葉(特に上部の新しい葉)はツヤとハリがあり元気
  • ゆっくりと時間をかけて黄色くなり、やがて茶色くカサカサに乾いていく

といった点です。

このような自然なサイクルで枯れた葉は、無理に引っ張らず、完全に枯れてから付け根で自然に取れるのを待つか、軽く触れてポロッと取れるようになってから除去しましょう。

これは病気ではないため、特別な処置は必要ありません。

次に、注意が必要なのが「根のトラブル」による枯れです。

前述の「根腐れ」や「水不足」が進行すると、葉が黄色くなったり、しわしわになったりする段階を経て、やがて枯れてしまいます。

この場合、一枚だけでなく、複数の葉、特に下葉から症状が広がっていくことが多いです。

葉が枯れると同時に、株全体に元気がなく、新しい葉の成長が見られないといった特徴があります。

根腐れが原因の場合は、葉が黒っぽく、湿った感じで枯れていくことがあります。

一方、水不足(根の乾燥)が原因の場合は、葉が薄く、ミイラのように乾燥して枯れていきます。

どちらのケースも、根本的な原因は根にあるため、植え替えを含む根のケアが必要となります。

そして、最も警戒すべきなのが「病気」による枯れです。

特に「軟腐病」や「フザリウム病」は、葉を枯らす深刻な病気です。

軟腐病は、細菌感染によって葉が水浸状になり、急速に茶色くドロドロに腐って枯れ、強い異臭を放ちます。

この病気は進行が非常に早く、発見が遅れると手遅れになることが多いです。

フザリウム病は、カビが根や株元から侵入し、導管を詰まらせる病気です。

水分や養分が上部に届かなくなるため、下葉から順に黄色くなってハリを失い、やがて枯れ落ちます。

根腐れと症状が非常に似ていますが、フザリウム病の場合は、株の根元や根の一部が赤紫色に変色することがあるのが見分けるポイントです。

これらの病気が疑われる場合は、感染の拡大を防ぐため、直ちに患部を大きく切除し、殺菌剤を塗布するなどの外科的処置が必要です。

見極めのポイントをまとめると以下のようになります。

葉が枯れる原因の見極め方

原因主な症状対処法
自然な老化一番下の葉のみが、ゆっくり黄色→茶色に変化。他の葉は元気。不要。自然に落ちるのを待つ。
根腐れ複数の下葉から黄色・黒っぽくなり、湿った感じで枯れる。株がぐらつく。植え替え。腐った根を切除し、新しい植え込み材に植える。
水不足・根の乾燥複数の下葉から黄色くなり、薄くカサカサに乾燥して枯れる。適切な水やり。ひどい場合は植え替えも検討。
病気(軟腐病など)急速に葉が腐り、異臭がする。特定の葉から急激に症状が広がる。患部の緊急切除と殺菌剤の塗布。他の株からの隔離。

葉が枯れるという現象一つをとっても、その背景には様々なストーリーがあります。

日頃から胡蝶蘭の様子をよく観察し、些細な変化に気づいてあげることが、早期発見・早期治療につながり、大切な株を守ることになります。

単なる老化なのか、それとも危険なサインなのか、冷静に見極めて対応しましょう。

日光が原因?見分けが難しい葉焼けの症状

胡蝶蘭の生育には適度な日光が必要ですが、強すぎる直射日光は「葉焼け」の原因となり、葉に深刻なダメージを与えてしまいます。

葉焼けは病気ではありませんが、一度焼けてしまった葉の組織は元に戻らず、見た目を損なうだけでなく、株の体力を奪うことにもつながります。

葉焼けの症状は、初期段階では判断が難しいことがあります。

最初は、葉の色がなんとなく白っぽく、色素が抜けたように見えます。

この段階では、まだ軽症であり、すぐに置き場所を変えれば進行を食い止めることができます。

しかし、このサインを見逃し、さらに強い日光に当て続けると、症状は悪化します。

白っぽくなった部分は、次第に乾燥して黄色や褐色に変わります。

そして最終的には、その部分が黒く焦げたようになり、硬く、あるいは乾燥してパリパリの状態になってしまいます。

重度の葉焼けを起こした部分は、光合成の能力を完全に失ってしまいます。

葉焼けと病気との見分け方は、いくつかのポイントで判断できます。

まず、葉焼けは主に日光が直接当たる葉の、さらにその一部分に集中して発生します。

葉の付け根や裏側など、光が当たりにくい部分には症状が出にくいのが特徴です。

一方、炭疽病などの病気による斑点は、葉の場所を問わず、ランダムに発生することが多いです。

また、葉焼けの進行は、日光に当たっている時間と強さに比例しますが、病気のように他の葉に「伝染」することはありません。

葉焼けした部分の境界線は、病気の斑点のように輪郭がはっきりしているわけではなく、じわっと広がったような見た目になることが多いのも特徴です。

ただし、葉焼けで傷んだ組織に二次的にカビや細菌が感染し、病気を併発することもあるため注意が必要です。

葉焼けを起こしてしまった場合の対処法ですが、残念ながら一度壊死してしまった組織を再生させることはできません。

軽症で、葉が少し白っぽくなった程度であれば、すぐに遮光された場所に移動させ、様子を見ます。

しかし、黒く変色してしまった部分は、そのままにしておくと見た目が悪いだけでなく、そこから病原菌が侵入するリスクにもなります。

そのため、症状が広がらないよう、焼けた部分を清潔なハサミで健康な部分を少し含めて切り取るのが一般的な対処法です。

切り口には、念のため殺菌剤を塗布しておくと安心です。

葉の大部分が焼けてしまった場合は、その葉を根元から切り取った方が、株の体力を温存できることもあります。

最も重要なのは、葉焼けを未然に防ぐことです。

胡蝶蘭は、本来、他の樹木の陰になるような場所に自生しているため、木漏れ日のような柔らかい光を好みます。

室内で育てる場合、レースのカーテン越しの窓際が理想的な場所とされています。

季節によって太陽の角度は変わるため、特に春から夏にかけては日差しが強くなるので注意が必要です。

今まで大丈夫だった場所でも、季節が変われば葉焼けを起こす可能性があります。

遮光ネット(園芸用の寒冷紗など)を利用して、光の量を30%~50%程度カットしてあげるのが効果的です。

葉を触ってみて、ほんのり温かい程度なら問題ありませんが、熱く感じるようであれば、それは光が強すぎるサインです。

定期的に置き場所の日当たりの変化を確認し、胡蝶蘭にとって快適な光環境を維持してあげることが、美しい葉を保つ秘訣です。

 

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胡蝶蘭の病気 葉への具体的な対策と予防法

この章のポイント
  • 細菌が原因で起こる軟腐病の治療法
  • カビによって広がる炭疽病の対処法
  • 病気知らずの株に育てる水やりの基本
  • 弱った株を救う植え替えの適切な時期
  • 病気からの復活をサポートする管理方法
  • 健康に育てるには胡蝶蘭の病気 葉の知識から

細菌が原因で起こる軟腐病の治療法

胡蝶蘭がかかる病気の中でも、特に警戒すべきものの一つが「軟腐病(なんぷびょう)」です。

この病気は細菌(エルウィニア菌)によって引き起こされ、その名の通り、感染した部分が柔らかく腐敗していくのが特徴です。

何よりも恐ろしいのは、その進行の速さと伝染力の強さであり、発見が遅れると数日のうちに株全体が枯死してしまうことも少なくありません。

軟腐病の初期症状は、葉に水が染みたような、半透明の淡い黄色の斑点が現れることから始まります。

この斑点は、まるで熱湯をかけたかのように見え、触ると少し柔らかく感じます。

この段階で気づくことができれば、助かる可能性は高まります。

しかし、この症状は急速に拡大し、斑点は茶色や黒褐色に変わり、ドロドロとした状態に腐敗していきます。

そして、軟腐病を特定する最も明確なサインは、腐敗部分から放たれる強烈な異臭です。

生ゴミが腐ったような、あるいは魚が腐ったような不快な臭いがすれば、軟腐病である可能性が極めて高いと言えるでしょう。

この病気は、高温多湿の環境、特に気温が25℃以上で湿度が高い梅雨時や夏場に発生しやすくなります。

細菌は、葉の傷口や水やりの際に跳ね返った水滴などを介して侵入します。

軟腐病の治療法は、残念ながら薬剤による根本的な治癒は期待できず、外科的な切除が唯一の手段となります。

治療を行う際は、スピードと決断力が重要です。

軟腐病の具体的な治療手順

  1. 隔離: まず、感染が疑われる株を、直ちに他のすべての植物から遠ざけます。空気感染のリスクは低いですが、水滴などを介した接触感染を防ぐためです。
  2. 道具の準備と消毒: よく切れるハサミやカッターナイフ、そして消毒用のアルコール(エタノール)やライターの火を準備します。使用する前と後に必ず刃物を消毒する習慣をつけてください。これにより、他の部位や他の株への感染拡大を防ぎます。
  3. 患部の切除: ここが最も重要です。病変部(変色し、腐っている部分)だけでなく、その周囲の健康に見える部分を最低でも1~2センチ、できればそれ以上大きく含めて、ためらわずに切り取ります。中途半端に病変部を残すと、そこから再発する可能性が非常に高いです。
  4. 切り口の乾燥と殺菌: 切除した後の切り口は、細菌の侵入口になりやすいため、しっかりとケアします。まずはティッシュなどで余分な水分を拭き取り、数時間から半日ほど風通しの良い場所で乾燥させます。その後、殺菌剤(ペースト状のトップジンMや、粉末のストレプトマイシン剤など)を塗布して保護します。
  5. 経過観察: 治療後は、水やりを控えめにし、特に傷口に水がかからないように注意しながら、最低でも1~2週間は厳重に経過を観察します。

軟腐病は、治療よりも予防がはるかに重要です。

予防策としては、まず風通しを良くすることが第一です。

空気がよどむ場所に置かない、サーキュレーターで穏やかな空気の流れを作るなどの工夫が有効です。

次に、水やりの方法です。

葉や株の中心(グロースポイント)に水が溜まらないように、株元に優しく水を与えます。

もし葉に水がかかってしまった場合は、ティッシュなどで優しく拭き取るか、息を吹きかけて飛ばしましょう。

また、植え替えや株分けの際にできた傷口は、細菌の格好の侵入口となります。

作業は清潔な道具で行い、太い根や葉を切った後は、殺菌剤を塗布しておくと安心です。

大切な胡蝶蘭を恐ろしい軟腐病から守るためには、日々の丁寧な観察と、病気の発生しにくい環境を整えてあげることが何よりも大切なのです。

カビによって広がる炭疽病の対処法

炭疽病(たんそびょう)は、胡蝶蘭の葉によく見られる病気の一つで、その原因はカビ(糸状菌)です。

軟腐病ほど進行が速くはありませんが、放置すれば葉の大部分を枯らし、光合成を妨げて株を衰弱させるため、早期の発見と適切な対処が重要になります。

特に、見た目の美しさが重視される胡蝶蘭にとって、葉に広がる黒い斑点は大きな問題です。

炭疽病の初期症状は、葉の表面に現れる小さな淡褐色の斑点です。

この斑点は水が染みたようにも見え、最初はあまり目立ちません。

しかし、時間が経つにつれて斑点は徐々に大きくなり、色は濃い茶色から黒褐色へと変化していきます。

病斑の形状は円形や不整形で、拡大した病斑をよく観察すると、中心部がややへこみ、同心円状の輪紋(輪のような模様)が見えるのが炭疽病の典型的な特徴です。

病気がさらに進行すると、この病斑上に黒い小さな粒々(分生子層)が形成され、ここから胞子が飛散して他の葉や他の株へと感染を広げていきます。

この病気は、春から秋、特に梅雨の時期のように気温と湿度が高い時期に発生しやすくなります。

カビの胞子は、雨や水やりの際の水の跳ね返りによって運ばれるため、密集して置かれた株の間では特に感染が広がりやすい傾向があります。

また、風通しの悪い環境は湿度を高く保ち、カビの繁殖を助長します。

炭疽病を発見した場合の対処法は、病気の進行度によって異なります。

炭疽病の進行度に合わせた対処法

初期段階(斑点が小さい、数が少ない場合):

清潔なカッターナイフやハサミを使い、病斑の部分を周囲の健康な組織を少し含めて切り抜きます。

小さな穴を開けるようなイメージです。

その後、切り口に殺菌剤を塗布し、感染の拡大を防ぎます。

使用する殺菌剤としては、ダコニール1000やトップジンM、ベンレートなどが有効です。

中程度(斑点が大きい、または複数ある場合):

病斑が葉のかなりの範囲を占めている場合は、その葉ごと付け根から切り取る方が確実です。

病斑を残しておくと、そこが胞子の供給源となり続けるため、思い切った処置が必要になります。

この場合も、切り口には殺菌剤を塗布してください。

予防と再発防止:

治療と同時に、薬剤散布による予防も効果的です。

上記の殺菌剤を、規定の倍率に希釈して、株全体(特に葉の裏表)に丁寧に散布します。

一度だけでなく、1週間から10日間隔で2~3回散布すると、潜伏している可能性のあるカビにも効果が期待できます。

もちろん、治療に使用したハサミなどの道具は、必ず火で炙るかアルコールで消毒し、他の作業に使わないようにしてください。

炭疽病の予防で最も大切なのは、カビが繁殖しにくい環境を作ることです。

  • 風通しの確保: 株と株の間隔を十分に空け、空気がよどまないようにします。サーキュレーターの利用も有効です。
  • 適切な水やり: 葉に水が長時間残らないように、水は株元に与えます。夕方以降の水やりは、夜間に葉が湿ったままになりやすいため避け、午前中に行うのが理想です。
  • 枯れ葉や花がらの除去: 枯れた組織はカビの温床になりやすいため、こまめに取り除き、株の周りを清潔に保ちます。
  • 定期的な薬剤散布: 特に梅雨時期など、病気が発生しやすい季節の前に、予防的に殺菌剤を散布しておくのも良い方法です。

炭疽病は、日頃の管理を徹底することで十分に予防できる病気です。

葉に現れる小さなサインを見逃さず、丁寧なケアを続けることが、美しい胡蝶蘭を長く楽しむための鍵となります。

病気知らずの株に育てる水やりの基本

胡蝶蘭の栽培において、水やりは最も基本的でありながら、最も奥が深い作業の一つです。

多くの初心者が失敗する原因が、この水やりにあります。

過剰な水やりは根腐れを招き、水不足は生育不良を引き起こします。

そして、不適切な水やりは、軟腐病や炭疽病といった様々な胡蝶蘭の病気 葉の引き金にもなります。

病気知らずの健康な株を育てるための水やりの基本は、ただ一つの原則に基づいています。

それは「植え込み材が完全に乾いてから、たっぷりと与える」というメリハリです。

胡蝶蘭の根は、水分を吸収すると同時に、空気中から酸素を取り込む呼吸も行っています。

常に湿った状態では根が窒息してしまうため、「乾く」という期間が不可欠なのです。

では、具体的に「乾いた」状態をどう判断すればよいのでしょうか。

いくつかの方法があります。

植え込み材の乾燥具合を確認する方法

  • 指で触る: 最も簡単で確実な方法です。鉢の表面だけでなく、指を第二関節くらいまで植え込み材(水苔やバーク)に差し込んでみてください。中の湿り気を感じなければ、水やりのサインです。
  • 鉢を持ち上げる: 水やり直後の鉢の重さを覚えておき、次に持ち上げた時に明らかに軽くなっていれば、水分が抜けた証拠です。
  • 植え込み材の色を見る: 水苔は、湿っていると濃い茶色や緑色ですが、乾くと白っぽい薄茶色になります。この色の変化で判断することもできます。
  • 透明な鉢を利用する: 鉢の中の根の状態が見える透明なスリット鉢などで育てると、根の色で判断できます。健康な根は水分を含むと鮮やかな緑色になり、乾くと白っぽい銀色に変化します。根が白っぽくなったら水やりのタイミングです。

「何日に一回」というようにスケジュールで水やりを決めるのは、最も避けるべき方法です。

なぜなら、鉢の乾き具合は、季節、気温、湿度、置き場所、鉢の大きさや材質など、様々な要因によって常に変化するからです。

夏場は数日で乾くこともあれば、冬場は2週間以上乾かないこともあります。

必ず、その都度、鉢の状態を確認してから水やりを判断する習慣をつけましょう。

水やりのタイミングが来たら、次は与え方です。

与える際は、中途半端な量ではなく、「鉢底から水が勢いよく流れ出てくるまで」たっぷりと与えるのが基本です。

これにより、鉢の中に溜まった古い空気や老廃物を洗い流し、新しい新鮮な水を根全体に行き渡らせることができます。

水道水をそのまま与えて問題ありませんが、冬場などは冷たすぎる水をいきなり与えると根が傷むことがあるため、少し時間を置いて常温に戻した水(汲み置き水)を使うとより丁寧です。

そして、水やりと同じくらい重要なのが、水やりの後の処理です。

鉢の受け皿に溜まった水は、必ず捨ててください。

溜まった水に鉢底が浸かっていると、鉢の中が常に過湿状態になり、根腐れの原因となります。

また、水やりの時間帯は、午前中が最適です。

夜間に水やりをすると、気温が下がる中で鉢の中が湿ったままになり、病原菌が繁殖しやすくなるからです。

特に、葉の付け根や中心の成長点に水が溜まったまま夜を迎えるのは、軟腐病の大きなリスク要因となります。

もし水がかかってしまったら、ティッシュをこより状にして吸い取るなど、丁寧に取り除いてあげましょう。

この「乾いたら、たっぷり、しっかり水を切る」というサイクルをマスターすることができれば、胡蝶蘭栽培の半分は成功したと言っても過言ではありません。

健康な根を育てることが、病気に強い、生き生きとした株を育てるための揺るぎない土台となるのです。

弱った株を救う植え替えの適切な時期

胡蝶蘭にとって植え替えは、生育環境をリフレッシュし、健康を維持するために欠かせない重要な作業です。

しかし、同時に株にとっては大きなストレスがかかる行為でもあります。

そのため、適切なタイミングと方法で行うことが、株を弱らせずに成功させる鍵となります。

特に、根腐れや病気で弱ってしまった株を救うための植え替えは、まさに外科手術のようなものであり、慎重な判断と作業が求められます。

まず、植え替えが必要かどうかを見極めるサインを理解しておくことが大切です。

  • 植え込み材の劣化: 水苔やバークチップは時間と共に分解・劣化し、水はけや通気性が悪くなります。一般的に1年半~2年に一度が植え替えの目安です。触ってみて、ボロボロと崩れるようなら劣化のサインです。
  • 根腐れ: 鉢の中から嫌な臭いがしたり、水やりの後に水がなかなか引かなかったり、葉が黄色くなったりしわしわになったりする場合は、根腐れが疑われます。これは緊急で植え替えが必要なサインです。
  • 根詰まり: 鉢底から根がたくさん飛び出したり、鉢の表面に根が密集して新しい根の伸びるスペースがなくなったりした場合も、植え替えのタイミングです。
  • 病害虫の発生: 鉢の中にカビが生えたり、害虫が住み着いたりした場合も、環境をリセットするために植え替えを行います。

次に、植え替えに最も適した「時期」です。

胡蝶蘭の植え替えに最適なのは、花が終わり、新しい根や葉が活発に動き出す成長期、具体的には春(4月~6月頃)です。

この時期は、植え替えによるダメージからの回復が最も早く、スムーズに新しい環境に順応してくれます。

気温が安定して18℃以上を保てるようになると良いでしょう。

逆に、真夏や真冬の植え替えは、株に大きな負担をかけるため、原則として避けるべきです。

ただし、これは健康な株の定期的な植え替えの場合です。

根腐れや重度の病気など、株の生死に関わる緊急事態の場合は、この「適期」を待つ必要はありません。

季節を問わず、発見次第、直ちに植え替え手術を敢行する必要があります。

冬場に緊急の植え替えを行った場合は、その後の温度管理に特に注意し、株が体力を消耗しないようにケアする必要があります。

弱った株の植え替え手順

緊急の植え替え、特に弱った株を救うための手順は以下の通りです。

  1. 準備: 新しい鉢(素焼き鉢がおすすめ)、新しい植え込み材(水苔やバーク)、消毒したハサミ、殺菌剤を準備します。水苔は、数時間水に浸けて戻しておきます。
  2. 株の取り出し: 鉢の側面を軽く叩きながら、根を傷つけないように慎重に株を抜き取ります。
  3. 古い植え込み材と傷んだ根の除去: 根に絡みついた古い水苔やバークを、優しく丁寧に取り除きます。この時、黒く変色してブヨブヨになった根や、スカスカで中身のない根(これらは全て腐った根です)を、消毒したハサミでためらわずに切り落とします。白や緑色でハリのある健康な根だけを残すのがポイントです。
  4. 根の整理と殺菌: 傷んだ根をすべて取り除いたら、必要に応じて長すぎる健康な根も少し切り詰めます。その後、根全体、特に切り口に殺菌剤を散布または塗布するとより安全です。
  5. 植え付け: 新しい鉢の底に発泡スチロールなどを少し入れて水はけを良くし、株を中央に配置します。その後、根の間に隙間ができないように、固く絞った水苔を詰め込んでいきます。割り箸などを使って、優しく押し込むと良いでしょう。固すぎず、柔らかすぎない植え方が理想です。
  6. 植え替え後の管理: 植え替え直後は、根が傷ついているため、すぐに水やりはしません。1週間~10日ほど経ってから、最初の水やりを行います。それまでは、直射日光の当たらない明るい日陰で、葉に霧吹きを与える(葉水)程度にして、静かに休ませてあげます。

植え替えは、弱った株にとっては最後の望みとなることもあります。

適切な時期を見極め、丁寧な作業を心がけることで、大切な胡蝶蘭を救い、再び元気な姿を取り戻させることができるのです。

病気からの復活をサポートする管理方法

病気の治療や植え替え手術を終えた胡蝶蘭は、人間で言えば大病を患った後の療養期間に入ります。

この時期の管理方法が、その後の回復と復活を大きく左右します。

体力が著しく低下している状態なので、通常時よりもさらに繊細で丁寧なケアが求められます。

病気からの復活をサポートする管理の基本は、「株の消耗を最小限に抑え、自己回復力が高まるのを静かに待つ」ことです。

過剰な世話はかえって負担になることを理解しておく必要があります。

まず、最も重要なのが「置き場所」です。

直射日光は絶対に避け、レースのカーテン越しなど、非常に柔らかい光が当たる程度の明るい日陰に置きます。

光合成はエネルギーを生み出すために必要ですが、強すぎる光は葉焼けの原因になるだけでなく、株の体力を奪います。

また、風通しが良く、空気がよどまない場所を選ぶことも大切です。

ただし、エアコンの風が直接当たるような場所は、急激な乾燥を招くため避けてください。

温度管理も重要で、できれば18℃~25℃の範囲で、急激な温度変化がない、穏やかな環境を維持してあげることが理想的です。

次に「水やり」です。

植え替え直後は、1週間から10日は水を与えません。

これは、植え替えで傷ついた根の切り口を乾燥させ、そこからの雑菌の侵入を防ぐためです。

その後、最初の水やりを行い、以降は通常よりもさらに乾燥気味に管理します。

植え込み材の表面が乾いてから、さらに数日待つくらいのイメージです。

根の機能がまだ完全ではないため、水分を多く与えても吸い上げることができず、再び根腐れを起こすリスクが高いためです。

鉢の中の乾燥を促すためにも、風通しの良い場所に置くことが役立ちます。

療養中の株にとって、「肥料」は厳禁です。

元気になってほしいからと肥料を与えたくなる気持ちは分かりますが、これは完全に逆効果です。

弱った根は肥料成分を吸収する能力がなく、むしろ肥料焼けを起こしてさらなるダメージを受けてしまいます。

新しい葉や根が元気に伸び始めるなど、明らかに回復の兆しが見えてから、初めてごく薄い液体肥料を与え始めます。

目安としては、少なくとも植え替え後1ヶ月以上は肥料を与えないようにしましょう。

株の乾燥を防ぎ、空中湿度を保つために「葉水(はみず)」は有効な手段です。

霧吹きを使って、葉の裏表に軽く水をスプレーしてあげます。

これにより、葉からの水分の蒸散を抑え、株の負担を軽減できます。

ただし、これも日中の暖かい時間帯に行い、夜までに葉の表面が乾くようにしてください。

葉の付け根や成長点に水が溜まらないように注意するのは、通常時と同じです。

そして、花芽が出てきた場合の対応も重要です。

弱った株は、子孫を残そうとする本能から、最後の力を振り絞って花芽を出すことがあります。

しかし、花を咲かせるのは非常に多くのエネルギーを消耗します。

療養中の株に花を咲かせるのは、命を縮めることになりかねません。

非常に残念ですが、株の回復を最優先に考え、出てきた花芽は早めに付け根から切り取ってください。

今は株の体力を温存させ、完全に元気を取り戻してから、次のシーズンに美しい花を楽しませてもらいましょう。

病後の管理は、焦らず、じっくりと胡蝶蘭のペースに合わせてあげることが何よりも大切です。

日々の小さな変化を見守り、新しい根が一本伸びた、小さな葉が出てきた、といった回復のサインを見つけた時の喜びは、栽培の醍醐味の一つと言えるでしょう。

健康に育てるには胡蝶蘭の病気 葉の知識から

これまで、胡蝶蘭の葉に現れる様々な病気やトラブルの症状、そしてその具体的な対処法について詳しく見てきました。

葉が黄色くなったり、斑点ができたり、枯れてしまったりと、胡蝶蘭が発するSOSサインは多岐にわたります。

これらの問題に直面したとき、多くの人は慌ててしまいがちですが、大切なのはそれぞれの症状がなぜ起きているのか、その背景にある原因を正しく理解することです。

胡蝶蘭の病気 葉に関する知識を身につけることは、単に問題が起きた時のための対症療法を学ぶだけではありません。

むしろ、その知識は、そもそも病気を発生させないための「究極の予防策」へと繋がっていきます。

例えば、根腐れが多くのトラブルの根源であることを知れば、自ずと水やりの方法に注意を払うようになります。

「植え込み材が乾いてからたっぷりと」という基本原則を守ることが、いかに重要であるかを実感できるでしょう。

同様に、炭疽病や軟腐病が多湿と風通しの悪さを好むことを知れば、置き場所を工夫し、空気の流れを意識するようになります。

これらの日々の小さな心がけの積み重ねが、病原菌が繁殖しにくい健康的な環境を作り出し、結果として胡蝶蘭を病気から遠ざけるのです。

また、胡蝶蘭の病気 葉について学ぶことは、植物とのより深い対話を可能にしてくれます。

葉の少しの変化から、「今は水が欲しいのかな」「少し日差しが強すぎるかな」といった胡蝶蘭の静かな声を聞き取ることができるようになります。

それは、マニュアル通りの世話をするのではなく、生き物として胡蝶蘭を理解し、その個性に合わせたケアを施すということです。

この対話こそが、園芸の最も楽しく、やりがいのある部分ではないでしょうか。

贈り物として人気の高い胡蝶蘭ですが、贈られた方が栽培に慣れていない場合、こうしたトラブルに直面して困ってしまうことも少なくありません。

しかし、この記事でご紹介したような知識があれば、きっと多くの問題を乗り越えることができるはずです。

むしろ、少し手間をかけてあげることで、胡蝶蘭は毎年美しい花を咲かせてくれ、贈ってくれた人との思い出を長く繋ぐ、かけがえのない存在になります。

病気を乗り越えた株に再び花が咲いた時の感動は、何物にも代えがたいものです。

そう考えると、胡蝶蘭は単なる鑑賞植物ではなく、育てる喜びと、時には挑戦を与えてくれる、素晴らしいパートナーと言えるかもしれません。

だからこそ、もしあなたが大切な人への贈り物を探しているなら、自信を持って胡蝶蘭をおすすめします。

そして、もし贈る機会があれば、この「胡蝶蘭の病気 葉」の知識もそっと伝えてあげてください。

それは、花そのものと一緒に、育てる楽しみと安心感をプレゼントすることになるからです。

美しい花を長く楽しむ秘訣は、葉が語る言葉に耳を傾けること。

そのための知識が、あなたと大切な胡蝶蘭との豊かな関係を築くための、確かな礎となるでしょう。

この記事のまとめ
  • 胡蝶蘭の葉の異常は株全体の健康を示すサイン
  • 葉が黄色くなる原因は水やり過多・不足・寿命など様々
  • 根腐れは多くの葉のトラブルの根本原因となる
  • 茶色や黒の斑点は炭疽病や軟腐病の可能性が高い
  • 軟腐病は進行が早く異臭を伴うため緊急の対処が必要
  • 炭疽病はカビが原因で同心円状の病斑が特徴
  • 葉がしわしわになるのは根からの水分吸収不良が原因
  • 葉焼けは直射日光が原因で一度焼けると元に戻らない
  • 病気の治療は患部の外科的切除と殺菌剤の塗布が基本
  • 水やりは「乾いたらたっぷり」のメリハリが最も重要
  • 植え替えは春の成長期が最適だが緊急時は季節を問わない
  • 弱った株の植え替え後は水と肥料を控え安静にさせる
  • 病後の回復期には花芽を摘み取り株の体力温存を優先する
  • 胡蝶蘭の病気 葉の知識は最高の予防策になる
  • 適切な管理で胡蝶蘭は長く楽しめる素晴らしい贈り物になる

 

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